一般医療の現場を外側から眺める2021 -サンパウロ便り
- circunstância atual de tratamento médico -
あれは2月半ばのこと。
サンパウロでは
規制によるひっそりとしたカーニバルを終えたころ・・
家族が高熱を出し、
医療現場の今を体験しました。
<心理サポートのブログに
支えていただいた方々についてほか
一部重複した記事を掲載しました>
救急チームが運んでくれたのは
公立の救急病院でした。
搬送は昼過ぎ。
点滴と検査を終え、これは深夜1時▼
入院できず、処方箋だけもらって
帰宅のため車を待つ心細い時間です。
家族の病気は単純な感染症。
COVID-19 の患者さんが優先ですから
通常の感染症では
どれほど熱が高くてもサヨウナラ。
仕方のないことです。
高熱のまま、自宅で一週間の投薬。
様子をみていましたが、改善の兆しがみられず
私立の病院に入院することになりました。
そもそもこの件の初日で、わたしは
初めてこの国の救急車に乗っています。
日本の救急車とは格段に違う設備の充実に
目を見張りました。
車内は日本の3倍くらい広くて
キャンピングカーみたい。
サイレンも鳴らさず
滑るように郊外の町まで運んでくれました。
この国の底力を感じました。
ブラジルでは
全国民を対象とした無料医療制度が建前です。
「国民」の中には
私のような外国人登録をした人も含まれ、
無料保険制度SUSへの加入手続きを済ませれば
同様の恩恵が約束されています。
しかし、日常的に
医療と患者数はアンバランス。
決定的な均衡を欠いています。
最新の設備があっても
市民レベルに行き渡ってはいません。
COVID-19 の現状…ブラジルは、ご存知のように深刻です。
今週は一日の「死者が3500人」を超える日もありました。
ほかの病気による患者は、医療を受けられず
運ばれても病院の廊下で命を落とすケースが後を絶ちません。
公立の病院では、事実上
医療崩壊が顕著です。
その後、入院できたのは
日本政府が援助している病院のひとつ。
家族は、そこからさらに10日間にわたる抗生物質の試行錯誤を経て
ある一瞬にスッと収まり、回復に向かいました。
この病院では
入院患者のために和食が用意されていると聞いていました。
あらかじめ、食事の打ち合わせのために
栄養士さんが病室を訪ねてきてくれました。
ブラジルのティピカルなお粥スープ(canja -手前)とともに
手づくりの楽焼陶器には、フリカケごはん。
左は、Missoshiro Tradicional -ミソシーロ・トラディショナル!
そう。「伝統のみそ汁」、トウフがメイン。
ブラジルの仲間たちも、ミソシーロは大好きです。
この病院の栄養士さんに、国際交流の活動を共にした親しい友人がいます。
患者さんのために心を尽くし
日々工夫しているときいていたので
ありがたい気持ちで味見させてもらいました。
支えてくれる仲間たち、
そして見えないところで働いでくださる存在のおかげで
家族は日一日と
元気になってゆきました。
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